図書館動画を制作するメリットと制作方法
まず動画そのものの最大のメリットは音や映像といった複数のメディアを同時に使うことによって、多くの情報量を持つことができる点にあります。情報量が多いということは、短い時間で効率良く相手に情報を届けることができるということ。動画は文字や写真のみに比べて、人間の注意を惹きつけることも分かっています。動画は人に何かを伝えたいときに最適なツールなのです。
図書館に関する動画制作のメリットは、どのような内容のものを作るかでも変わりますが、多くの情報を一度に伝えることができる点は同じです。また、事前に動画で図書館のことを知ることで初めて利用する際のハードルを下げるというメリットも期待できます。
図書館動画の制作方法は外部に依頼する『外注』と自社で制作する『インハウス(内製化)』があります。前者は映像制作会社に依頼することが多く、プロの機材や編集技術で動画制作をすることができますが、その分費用が高額になりがちです。
後者の内製化インハウスは自館で完結するので時間や費用などのコストを抑えることができます。また、弊社のサービスであるクラウド動画編集ツール「メディア博士」は、内製化インハウスで制作されるお客様の企画制作サポートも行っています。内製化インハウス化を希望される際にはぜひ検討してみてください。
図書館動画の具体的な事例
ここでは2022年2月現在、学校や自治体が公式YouTubeで公開している図書館動画をご紹介します。規模や特徴は図書館ごとに異なり、それによって動画の構成や内容も変わることが考えられます。図書館の魅力が最大限に発揮される内容にしましょう。
紹介動画
図書館の利用者数を増やすためにはまず知ってもらうことが一番重要です。どんな図書を所蔵しているのか、どのような人が利用できるのか、他の図書館とは何が違うのかなど特徴や利点を紹介動画に盛り込みましょう。
・九州大学『動画でめぐる!九大図書館ってこんなとこ!』
福岡県福岡市にある九州大学は国内でも高ランクとして有名な国立大学です。「九大」の略称で九大図書館は、大学関係者ではない一般の方の利用も可能。この動画もそのような人にもわかるように各図書館の特色をわかりやすく短くまとめて紹介しています。
九大には中央図書館、理系、医学など複数の種類の図書館があり、それぞれの特徴を
テロップで解説。静止画とBGM、テロップのシンプルな作りですが、各図書館がチャプター分けされていたりと見やすい工夫がされています
・九州大学『1. 九大図書館の概要』
こちらも九大図書館の動画で、これは概要を紹介している動画です。所蔵されている図書の特徴や学習室などの部屋紹介、利用できるサービスを紹介。解説音声とBGMや静止画で構成されており、動画内の説明文を補足する形で解説が入るのでより理解しやすくなっています。他にも資料や論文の探し方、検索テクニックを紹介した動画など、図書館を便利に使いこなせるようになる有益な動画がシリーズで用意されています。
九大図書館のように一つの動画で全部盛り込むのではなく、概要や利用方法を短い動画でシリーズとして制作していく方法もあります。一本の長い動画にしてしまうと最後まで観てもらえる可能性が低くなってしまうからです。飽きずに興味をもって観てもらえる工夫をしていきましょう。
利用方法の説明動画
コロナ禍において図書館利用者と職員が対面で利用方法を説明するのはリスクが伴います。そこで、事前に動画で利用方法を理解しておいてもらうことは対面のリスクが少なくなり感染症対策になります。また、図書館職員の手間も減ることが期待できるのでオススメの動画です。
・国立国会図書館『国立国会図書館東京本館利用案内「利用者登録・入館」編』
国内の出版物を保存しており、貴重な図書も数多く所蔵している国立国会図書館。こちらはそんな国会図書館(東京本館)への入館方法動画です。
図書館の場所の説明から始まり、利用の手順、利用者登録に必要なもの、利用の際の注意が簡潔にまとめられています。要所に建物の名称やその場所を絵厚営した映像を使用しており、実際にその場に行ったときにもすぐにわかるようになっています。BGMなどの装飾的なものは一切なく、図書館を利用するのに必要なことをテロップと音声だけで解説しているシンプルな動画です。尺も短く手軽に見ることができるのもポイント。
このようなシンプルでわかりやすい動画は、動画制作の初心者でも作りやすくオススメです。ポイントは短く簡潔にまとめること。手軽に何度も観やすい動画を目指しましょう
・滋賀県草津市役所『図書館での借り方・返し方~たび丸とやってみよう~』
滋賀県草津市立図書館の子ども向けの利用方法動画です。図書の借り方・返し方を草津市公認マスコットキャラクター「たび丸」と図書館職員が出演して紹介。説明は図書館職員が行い、実演はキャラクターと2人で行っています。漢字にはふりがなをつけたりかなり尺を短くしてたりと、この動画を観る子どもたちが最後まで飽きずに観られる工夫が散りばめられています。
この動画のポイントは子ども向けであることと自治体のマスコットキャラクターが起用されていること。キャラクターを出演させることで、子どもたちの興味を惹きつけ、親しみやすく子どもたちの図書館利用のハードルを下げてくれる動画になっています。そしてキャラクターのPRも兼ねているのでメリットの多い動画といえるでしょう。
バーチャル図書館
コロナ禍の影響で利用者数が減っている図書館も多いかもしれません。あまり気軽に外出ができなくなってしまった人も多いからです。また、高校や大学受験生のオープンキャンパスが中止になってしまった学校も少なくないでしょう。バーチャル図書館はそんな自治体の図書館や学校に併設されている図書館に足を運べない人に最適な動画です。写真や文字だけではわからない雰囲気を疑似体験することができ、印象にも残りやすいのがメリットです。
・東京薬科大学『図書館棟|360°バーチャルキャンパスツアー』
東京薬科大の図書館棟を360°バーチャル体験できる動画です。パソコンはもとよりスマホでもバーチャル体験できるので、学生には重宝される動画ではないでしょうか。
自分の気になったところをスマホを動かしながら視聴するのは便利かつ楽しい体験です。特別な撮影機材が必要になりますが、他の図書館動画と差別化が図れます。
パノラマ動画の詳細については以下の弊社コラムも参考にしてください。
映像世界へ誘うパノラマ動画とは?特徴と作り方をご紹介
まとめ
現在ではWebサイトやSNSの台頭、電子書籍など読書スタイルが変化し図書館になじみがない人も多い時代になっています。ここで動画という情報伝達に優れたツールを利用してどんどん図書館の魅力をPRしていきましょう。