動画撮影を終えて編集工程に進み撮影した映像をチェックしてみると、映像が思うようなものが撮れていなかった。このような経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
初めて動画を撮影する際には、「アングル」「構図」の勉強をしておくと、良い映像素材を撮ることが可能です。本記事では、動画撮影に役立つアングルや構図について解説します。これから動画撮影を学びたい方必読の内容です。
この記事は、こんな方におすすめです
- ✅ 社内で動画を制作しているが、撮影や構図のクオリティをもっと高めたい企業担当者
- ✅ 商品・サービス紹介、採用、社内広報など、撮影から編集まで一貫して内製化したい法人
- ✅ 専門知識がなくても、クオリティの高い動画をスピーディーに作りたい広報・DX推進部門の方
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動画の構図、アングルがなぜ重要なのか
なぜ動画の構図、アングルが重要なのかについて解説します。長時間視聴者に閲覧してもらいたい動画では、構図やアングルが微妙なものだと最後まで視聴してもらえない可能性があります。
特にトーク動画やプロモーション映像では、アングルや構図をしっかり計算して撮影をしないと視聴者に伝わる動画コンテンツを制作できません。
視聴者にメッセージを伝える動画を制作する際には、動画構図、アングルが重要になることを覚えておきましょう。
プロのように動画撮影するためのテクニック
プロのような訴求力の高いアングルや画角を手に入れるためには、撮影時に必要なテクニックを習得する必要があります。プロのような動画撮影に必要なテクニックはどのようなものがあるのかについて解説します。
状況に合わせて被写体のサイズを決めよう
シーンごとに、どのようなアングルの映像を撮影したいのか、検討をします。背景を紹介したいのか、被写体の表情を伝えたいのか、作り手が「伝えたいもの」は何かに合わせて相手に伝わるアングルを検討します。
アングルにはさまざまなものがあり、以下で効果的に使えるものを紹介します。
ロングショット
被写体と距離を取り、人物の全身、背景などフレームにさまざまな情報を伝え、視聴者に状況を伝えたい時に使うアングルです。
動画のオープニング映像として使われることが多く、施設紹介動画、観光地の紹介、工場紹介との相性が良いアングルです。
バストショット
被写体の胸から上を撮影するアングルです。バストショットのアングルを活用することで、顔の表情や手の動きを細かく伝えることができます。
トーク、レポートなどさまざまなシーンで使える動画で、WEB動画撮影では基本のアングルになるので押さえておきましょう。
クローズアップ
被写体の真剣な表情を伝える際に使えるアングルが、クローズアップです。
インタビュー動画などで活用すれば、被写体の微妙な表情変化まで視聴者に伝えることができます。
クローズアップ動画を行う際には、「圧迫感」のないように動画アングルを調整することが大切です。威圧的なアングルにならないように調整をしながら動画を制作しましょう。
画角によって視聴者への印象を決める
動画撮影では、画角(画面に写る範囲を決めるもの)も重要になります。画面に映る範囲によって視聴者に与える印象が微妙に異なります。特に注意が必要なのは被写体を横向きにして撮影をする場合です。
被写体の前の空間にゆとりを持って撮影をすると、息苦しさがなく見やすいアングルで動画を撮影することが可能になります。
アングルを使い分ける
被写体に対して、水平、低い位置(ローアングル)、高い位置(ハイアングル)とアングルを使い分けて撮影をすると印象の異なる映像を制作することが可能です。
力強い印象を与えたいのであれば、ローアングルから撮影、被写体に弱々しいイメージを与えたい場合はハイアングルで撮影をすると視聴者に異なった印象を与えられます。
基本的な撮影では水平的なアングルがおすすめですが、違う印象を与えたい場合はアングルを変えて動画を撮影しましょう。
編集をイメージした構図で撮影をする
こだわりのアングルで撮影をすることも重要ですが、編集後の映像をイメージして動画制作をおこなうことも重要です。
例えば、トーク動画で補足
テロップや参考資料を挿入することが事前に決まっている場合は、被写体を左右どちらかに寄せて撮影をすると、補足テロップ、参考資料をスムーズに入れることができます。
絵コンテの段階で編集後のイメージが固まっている場合は、動画撮影時にカメラアングルを調整して動画制作をするようにしてください。
トーク動画撮影を制作する際に気を付けるべきこと
企業のWEB動画では商品・
サービス紹介や企業紹介でトーク動画を撮影することが多くあります。
トーク動画を撮影する際には、以下の4つのポイントを意識して撮影をおこなうと訴求力の高いコンテンツを制作することが可能です。
マスターショットを設定する
マスターショットとは2人以上のトーク画面で設定をすべきアングルです。2人がどのような位置関係で会話をしているのか、わかるポジションを撮影します。
マスターショットを撮っておくことで、トーク動画の基本アングルになり、編集時にはうまく取り入れながら調整していくことが可能になります。
なめの映像でトークの雰囲気を伝える
トーク動画で被写体の手前にもう1人被写体を写し、カメラ越しに被写体が奥で話している構図「なめ」を作ることをおすすめします。
なめの映像を制作すると、二人の位置関係を意識しながら奥行きのある動画を制作することが可能です。
マスターショットだけで撮影をすると、映像に動きがなく視聴者が飽きてしまう可能性があるので、「なめ」の映像を撮るようにしましょう。
表情を伝える
1人1人の撮影をする際には、表情が伝わるようなアングルに調整をして撮影をおこないます。表情をしっかり撮影できるクローズアップを使用して、被写体の真剣な表情を撮影できるように心がけましょう。
イマジナリーラインを常に意識する
違和感を生まないために、イマジナリーラインの内側で撮影をおこなうように心がけましょう。イマジナリーラインとは、ふたりの人物のつなぐ線を指します。
このラインを無視して撮影をすると、視聴者に何を伝えたいのか分からない動画になってしまいます。二人に一直線上の線を頭で引き、内側から撮影をおこなうようにしてください。
動画撮影のアングル・構図を上達させるためのコツ
初心者でも効果的にスキルを伸ばすには、どのような練習や工夫をすれば良いのでしょうか。ここでは、実践的に取り入れやすいコツを紹介します。
日常的に良い構図を観察する
上達の第一歩は、日常生活の中で「構図」を意識的に観察することです。
映画やドラマ、YouTubeなどをただ楽しむのではなく「なぜ見やすいのか」「被写体がどこに配置されているのか」「余白はどのように活かされているのか」と分析してみましょう。
例えば、インタビュー番組では多くの場合、被写体が画面中央ではなく左右の三分割線上に配置されていることに気づきます。これは、残りの空間をテロップや資料映像の挿入に活用するためです。
こうした「なぜそう撮るのか」という理由を知ることで、自分の撮影にも応用できるようになります。
三分割法を意識して練習する
撮影の基本として知られる「三分割法」は、初心者でもすぐに実践できるテクニックです。画面を縦横それぞれ三分割し、線や交点に被写体を配置することで、自然で安定感のある映像を作ることができます。
例えば、トーク動画で人物の顔を画面右側の縦線上に合わせれば、左側にテロップや補足資料を入れるスペースが生まれます。
三分割法はシンプルながら応用範囲が広いため、まずはこの配置を徹底的に練習することで、映像全体のバランス感覚を大きく向上させられます。
同じシーンを複数のアングルで撮影する
動画制作において「編集でどう活かせるか」を考えながら撮影することは非常に重要です。
一度の撮影で「引きのロングショット」「中間のバストショット」「寄りのクローズアップ」と複数のアングルを押さえておくと、編集時に映像に変化をつけることができ、視聴者を飽きさせません。
例えば、製品紹介動画であれば、最初は全体像を見せるロングショット、その後に使い方を説明する際はバストショット、さらに細部のディテールを強調するクローズアップという流れが効果的です。
光と背景を意識して構図を整える
アングルや構図が適切でも、光や背景が整っていなければ映像の質は大きく損なわれます。特に注意すべきは逆光で、被写体の顔が暗く沈んでしまうと情報が伝わりにくくなります。
撮影前に窓や照明の位置を確認し、自然光をうまく活かす、または補助ライトを用いるなどして調整しましょう。
背景に余計なものが映り込まないようにすることも重要です。例えば、会議室でトーク動画を撮影する場合、机の上の資料やペットボトルを片付けるだけで画面がスッキリします。
余白を整えることは、被写体を引き立たせ、視聴者の集中を途切れさせない工夫でもあります。
まとめ
動画撮影をする際に構図、アングルを意識することで訴求力の高い映像を制作することが可能です。本記事で紹介したポイントを意識しながら訴求力の高い動画づくりを目指してみてはいかがでしょうか。