動画の得手(得意なこと)
動画は企業のマーケティングやブランディングにおいて非常に強力なツールです。その理由は、動画が持つ特性にあります。ここでは、動画の得手することについてご紹介します。
短時間で膨大な情報を伝えられる
動画は、視覚と聴覚の両方を活用して情報を伝達するため、テキストや静止画よりも圧倒的な情報量を短時間で届けることができます。
例えば、1分間の動画はWebサイト3,600ページ分の情報量に匹敵すると言われています。特に、複雑な製品やサービスの説明、操作方法の解説など、言葉だけでは伝えにくい情報を効果的に伝えることができます。
また、動画は視聴者の注意を引きやすいという特徴もあります。長い文章を読むのが苦手な人でも、動画であれば気軽に情報を得られます。
そのため、商品の紹介や教育コンテンツなど、視聴者が短時間で多くの情報を必要とする場面では、特に有効です。
感情に訴えかけることができる
動画は音楽やナレーション、映像の編集を活用することで、視聴者の感情に直接訴えかけることが可能です。
例えば、ストーリー仕立ての動画では、視聴者が登場人物の気持ちに共感しやすくなります。
また、音楽や映像の色彩、カメラワークを活用することで、企業のブランドイメージを強化することもできます。
感動的なストーリーや共感を呼ぶ内容は、視聴者の記憶に残りやすく、企業のブランド認知度を高める効果があります。これにより、視聴者の感情に響く動画を作成することで、商品やサービスの購買意欲を高めることができます。
非言語情報を伝えやすい
動画は、表情や動作、製品の質感や使用感など、テキストでは伝えにくい非言語情報を伝えるのに適しています。
例えば、食品や化粧品のプロモーションでは、実際の使用シーンを映像で見せることで、消費者の購買意欲を高めることができます。
また、建築や機械の操作方法、スポーツのテクニックなど、視覚的に理解したほうがわかりやすい情報も、動画なら直感的に伝えることができます。
そのため、企業のマニュアル動画やトレーニング動画などでも、動画の利点が活かされます。
動画の不得手(苦手なこと)
動画には多くのメリットがある一方で、万能ではありません。特に、次のような点に注意が必要です。
最後まで見てもらわないと伝わらない
動画は時間軸を持つコンテンツであるため、視聴者が途中で離脱すると、伝えたい情報が届かない可能性があります。特に、長尺の動画は離脱率が高くなりやすいため、冒頭の数秒間で視聴者の関心を引く工夫が求められます。
例えば、YouTube広告では「スキップされる前提」で、最初の5秒間に最も伝えたいメッセージを盛り込む手法が一般的です。企業のPR動画でも、最初に強いインパクトを与えることが重要です。
必要な情報にすぐアクセスしにくい
テキストなら検索機能や目次を活用して必要な情報にすぐアクセスできますが、動画では視聴しながら情報を探す必要があります。特に、特定の情報だけを知りたい場合には、テキストの方が適していることもあります。
そのため、動画コンテンツには適切なチャプター(目次)をつけることが重要です。YouTubeなどの動画プラットフォームでは、チャプター機能を活用することで、視聴者が求めている情報にすぐにアクセスできるようになります。
制作コストや時間がかかる
動画はテキストや画像に比べて制作に時間とコストがかかります。特に、シナリオ作成、撮影、編集といった工程が必要になるため、スピーディーな情報発信には不向きです。
しかし、最近ではクラウド動画編集ツールを活用することで、低コストかつスピーディーに動画を作成することも可能になっています。こうしたツールを活用することで、短期間で質の高い動画を作成できるため、企業の動画制作のハードルが下がっています。
動画の不得手を解消するための3つのポイント
”時間軸を持つ”という動画の性質を踏まえて、より効果的な動画施策を打ち出すために心がけるべきポイントを3つご紹介します。簡単に施せる工夫に限定しているので、ぜひ一度お試しください。
スキップされる前提で掴みを工夫する
ご存知かもしれませんが、YouTube広告を筆頭とする動画広告の多くは、その多くが数秒間再生されたのちスキップできる仕様になっています。
もちろん、スキップ不可能な短尺の広告プランも選択肢に挙がりますが、
長尺の動画が必要になることも多いでしょう。
長尺の動画を使う際には、スキップされることを前提に動画を制作することを心がけましょう。
動画の冒頭数秒間、つまり”掴み”の部分でユーザーを惹き付けることができれば、視聴を継続してもらえる可能性がグッと上がります。
また、本来伝えたいことの中から情報をさらに厳選して、それをスキップ不可能な秒数以内に収めることも検討してみてください。
そうすることで、最後まで見てもらうことはできなくとも、最低限伝えたいことや知ってもらいたいことをユーザーに届けられる可能性が上がります。
たとえば、YouTube Premiumの動画広告シリーズは、冒頭の5秒間でサービス名と合わせて「まずは3ヶ月無料体験」という直接的な訴求を行っていることが特徴です。
以下の動画は2019年に配信されたものですが、最新版の2021年の動画でもほぼ同じメッセージで訴求していることからも、一定の成果が得られていると推測できます。
YouTube Premium - 広告を待たずに楽しめる
音声だけでも伝えたいことが十分に伝わるようにする
動画が最後まで再生されたとしても、その間ユーザーの視線が常に画面に向いているわけではありません。いわゆる”ながらスマホ”をしているユーザーが多いことは想像できるかと思います。
そうしたユーザーに向けて、音声だけでも十分に伝わるよう工夫することは大切です。
もちろん動画をしっかり見てもらった場合と比べると伝わる情報は減りますが、耳から入る情報量も決して侮ることはできません。
直接的にテレビを見ていなくても、テレビCMの音声を繰り返し聞いているうちに会社名やサービス名を覚えていた経験はないでしょうか。
映像と音声の双方でアプローチすることができることは、テキストや静止画にはできない動画ならではの強みです。存分に活かしましょう。
テキストと合わせて情報の不足を補う
動画の書き起こしや補足情報をテキストで公開することも検討してみてはいかがでしょうか。
それほど手間がかからないにもかかわらず、動画よりも活字を好む層やせっかちなユーザーにもアプローチできるようになります。
もちろん、動画からテキストに遷移してくれるユーザーは決して多くありません。
ですが、少しでも多くのユーザーに情報を伝達できるのであれば、検討しないのはもったいないですよね。
なお、上記のようなテキストを公開する際には、概要欄の目に止まりやすい上部に掲載しましょう。
YouTubeの場合、4行目以降の文章は、ユーザーが「もっと見る」ボタンを押さなければ見えないので、少なくとも3行以内にテキストの存在を示す文言を入れることが好ましいです。
施策検討段階で動画がベストな手段かきちんと精査を!
繰り返しにはなりますが、動画は決して万能ではありません。
動画は短い時間で膨大な情報量を伝えることができる一方で、伝えたいことを取りこぼしなく伝えるには最後まで動画を視聴してもらう必要があります。
動画の効果を最大化するためには、スキップされることを前提に動画を作ったり、別途テキストを用意して情報の不足を補ったりといった工夫を凝らすとよいでしょう。
なにより、新しく施策を検討する際には、動画を盲信するのではなく最適な媒体なのかきちんと精査することが大切です。