はじめに
近年注目されている、動画コンテンツ。動画制作をしたことがない人にとっては、難しいイメージがあるでしょう。しかし、必要なものを準備して手順さえ覚えてしまえば、誰でも魅力的な動画をつくることが可能です。この記事では、動画制作の基本を学びたいという初心者さんに向けて、必要なツールや手順、制作のポイントを分かりやすく解説していきます。
準備すべきもの
まずは、動画撮影前に必要なツールを準備しましょう。現代では、スマートフォン1つで動画を撮影することも可能です。しかし、しっかり準備すればするほど、クオリティの高い動画をつくることができるため、これから紹介する5つのものを是非用意してください。
カメラ
カメラは言うまでもなく撮影に重要な機材です。ただ、カメラと言っても様々な種類があります。ここでは、4種類のカメラとその特徴を紹介します。
①コンパクトデジタルカメラ
軽量でコンパクトなことが魅力。持ち運びのしやすさを重視する方におすすめです。
②アクションカメラ
スポーツシーンなど、アクティブな撮影をする場合に最適。動きに強いだけでなく、広角レンズによって広い範囲を撮影できます。
③ミラーレスカメラ
レンズを交換すれば、場所や被写体に合わせた撮影ができるため、高画質な映像を撮ることができます。
④スマートフォン
スマートフォンでも綺麗な映像を撮影できます。「とりあえず1本撮ってみたい」「カメラにかける予算がない」といった場合は、持っているスマートフォンで撮影してみてください。
三脚・ジンバル
綺麗な映像を撮るためには、手ぶれに注意する必要があります。手ぶれ補正機能のあるカメラを使うなど、カメラ選びの段階で対策することもできますが、手ぶれが起こらないよう撮影する術を身につけましょう。
そのためには、三脚の利用がおすすめです。三脚でカメラを固定することで、ブレのない安定した映像を撮ることができます。
カメラを一定の場所で固定できない状況のときは、ジンバルを使いましょう。移動しながら撮影する場合は、特に画面がブレやすくなりますが、ジンバルによって安定したスムーズな映像になります。
動画編集ソフト
撮影した動画を繋げたり、音声やテロップを付けたり、クオリティの高い動画を制作するためには欠かせないツールです。動画編集ソフトには、様々な種類がありますが、特に初心者におすすめの編集ソフトを4つご紹介します。
①
Filmora
動画編集が初めての人でも親しみやすいソフト。有料ですが、動画編集ソフトの中では比較的安価に購入でき、おしゃれな映像を制作できます。
②
DaVinci Resolve
多くの機能が無料で使用可能です。色編集やCGも入れられるため、高度な編集ができます。
③
iMovie
MacとiOSにのみ対応。できることはやや限られてしまいますが、シンプルで使いやすいため、初心者向けのソフトになっています。
④
メディア博士
知識がない方でもスムーズに動画を作成・編集できる、クラウド動画作成ツール。制作時、コンサルタントによるサポートがあるため、初心者でも躓くことなく進められるでしょう。
このように、編集ソフトによって機能や使い勝手は様々。自分のレベルや、やりたいことに合わせて選ぶ必要があります。
パソコン
最近では、低価格のパソコンでも動画を編集できるようになっています。しかし、動画編集は負荷のかかる作業であるため、性能の低いパソコンでおこなうと、フリーズしてしまったり、時間がかかったりするケースもあるでしょう。
そのため、動画編集に適したスペックを持っているパソコンがおすすめです。購入時、確認すべきポイントは以下の4つ。
①高性能なグラフィックボード
②SSDを搭載している
③メモリが多い(16GB以上)
④CPUはインテル Core i7以上。
メモリは後から増設することもできるので、予算が足りない場合は、その他のポイントを優先するといいでしょう。
外付けマイク
一般的なカメラには、マイクが内蔵されています。しかし、あまり性能が良くないものも多く、カメラの操作音など、不要な音まで拾ってしまうことがあります。より聞き取りやすいクリアな音質を求めるのであれば、外付けマイクを使いましょう。
少し離れた場所でもマイクが向いている方向の音をしっかりと拾える「ガンマイク」は、複数人の音声や、会話以外の音を録音したいときに有効です。「ピンマイク」であれば、胸元などに装着して使用するため、人の動きを制限せずに音声を録音することができます。どのような場面で、どのような音を拾いたいのか考えた上で、適切なマイクを選ぶといいでしょう。
照明
照明を使うことで、明るくなるだけでなく、被写体の立体感や質感を際立たせたり、画質を綺麗にしたりする効果があります。また、照明なしで撮影した場合、人物の顔が暗くなってしまうことがあるでしょう。照明を使って正面から人物を照らすことで、影のないくっきりとした顔を撮影できるのです。
照明にも様々な種類があります。搭載している光源が白熱球なのか、蛍光灯なのか、LEDライトなのか。また、照明の形によっても変わってきます。中には、カメラに取り付けて撮影できるものもあります。撮影するシーンや用途に合わせて選びましょう。
「照明の用意はできないけれど、被写体をもっと明るく映したい」という場合には、レフ板やレフ板代わりのものを準備することがおすすめです。白いカーテンや発泡スチロールなど、白い素材のものであれば、光を反射し、被写体を明るく照らす効果があります。
動画制作の手順とポイント
企画・構成
「誰に、どんなことを、どんなふうに伝えたいのか」撮影前に決めておくことで、効率的に撮影を進められ、訴求力の高い動画を制作できるでしょう。
企画・構成の段階で決めておくべき内容は、以下の5つです。
①目的
例えば、企業であれば、認知拡大、ブランディング、売上向上など、動画制作の目的は様々考えられます。具体的に目的を定め、それをもとに動画内容を練ることが重要です。
②ターゲット
誰に向けて動画を制作するのか、視聴者層を明確にしましょう。ターゲットに合わせた演出方法や出演者を選定する必要があります。
③設計図
動画全体の流れを考え、各シーンにどんな素材が必要なのかを考えます。その際、
絵コンテや
字コンテを作成することで、動画の完成形がイメージしやすくなるでしょう。
④公開先
YouTubeや
SNS、ホームページなど、どこに動画を掲載するのか考えましょう。公開場所によって、特徴や視聴者層、適切な動画サイズも変わってきます。ターゲットや目的に合う公開先を選ぶことが大切です。
撮影
撮影前の準備ができたら、早速撮影をしていきましょう。綺麗な映像を撮るために、以下の5つのことに注意しましょう。
①手ブレに気をつける
前の章で紹介した三脚やジンバルなどを利用して、安定した動画を撮影するよう心がけましょう。ズームの利用もブレの要因となりやすいので要注意。
②1カットは7〜10秒を目安に
代わり映えのない映像が長々と続くと、視聴者は飽きてしまうため、短い動画を多数撮影しましょう。数秒間余分に撮っておくと、カット編集がしやすくなります。
③複数のアングルで撮影する
1つのシーンでも様々な角度から撮影することで、動画に変化を持たせることができます。
④明るい場所を選ぶ
光の入る、明るい場所で撮影しましょう。逆光の場合、逆に暗い映像になってしまうため、カメラ・被写体・太陽の位置関係を必ず確認してください。
⑤不要なものが映らないようにする
背景に余計なものが入ってしまうと、ごちゃっとした印象を与えてしまいます。また、個人情報や通行人の映り込みにも注意が必要です。
編集
撮影した映像に手を加えて、より魅力的な動画にしていきましょう。編集の段階でやるべきことは、以下の4つです。
①使用する素材を決める
実際に使用する映像よりも、余分に撮影している場合が多いでしょう。どの素材を使用するか、作業前に決めておくことで、スムーズに編集できます。
②映像を繋ぐ
予め決めた設計図に従って、映像を繋いでいきます。動画が間延びしないよう、不要な部分は細かくカットしてください。
③テロップを入れる
強調したい箇所にテロップを入れ、分かりやすくしましょう。文字サイズや挿入する文字数は、視聴者が無理なく読めるよう調整する必要があります。
④音楽を入れる
演出に合ったBGMや音楽を付けることで、より魅力的な動画を作成できます。ただ、音楽には著作権があるので要注意。加工の可否や商用利用についての利用条件をよく確認してから利用してください。
公開
最後に、動画をアップロードしましょう。公開先によって公開方法が異なるため、事前に調べておくのがおすすめです。
また、公開時間を工夫することで、視聴者が増加する可能性もあります。例えば、会社員向けのコンテンツであれば、通勤時間に合わせて公開するなど、調整してみるのもいいでしょう。
まとめ
この記事では、動画制作初心者の方に向けて、準備すべきもの、制作時の大まかな流れやポイントについてご紹介しました。今後、5Gの普及によって動画コンテンツの重要性はさらに高まるでしょう。そのため、今から第一歩を踏み出して動画制作に取り組んでみてください。ここでとりあげたツールや手順を参考にしていただくことで、誰でも魅力的な動画が制作できます。